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RPAが止まる・動かない原因と対処法|安定稼働のためのチェックリスト

更新日:2026/04/10 (初回投稿日:2020/12/28)

RPAが止まる・動かない原因と対処法|安定稼働のためのチェックリスト

こんにちは。AI・RPA 社労士のためのDX研究会 事務局です。

RPAを運用する中で、誰もが一度はぶつかる壁が「エラー」です。

「テストでは動いたのに本番で止まる」
「昨日まで動いていたのに急に動かなくなった」
といった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

RPAは製品の性質上、Windowsやブラウザなど周辺環境の変化に敏感です。

しかし、止まる原因の多くは一定のパターンに限られています。

本記事では、代表的なエラー原因とその具体的な対処法、
そしてエラーを防ぎ効率を最大化するExcel操作術などを解説します。

■ RPAのエラーは「失敗」ではなく「完成へのステップ」

RPAが止まると「難しい」「壊れた」と感じるかもしれませんが、実はエラーはロボットを賢くするための貴重なフィードバックです。自動化の実現には、必ず以下の3つの期間が必要だと心得ましょう。

  1. 作成期間: 基本的な手順をロボットに覚えさせる。
  2. テスト期間: 漏れていた手順やイレギュラーケースに対応する動作を「継ぎ足し」(※ここが最も重要です)
  3. 実運用期間: 安定稼働。外部要因(サイトの仕様変更等)への対応が主になります。

どこを疑う?エラー原因の優先順位

1位:シナリオの不備(約8割)

コピペの入れ忘れ、クリックの場所が数ピクセルずれているなど、手順の漏れがほとんどです。

2位:イレギュラーへの未対応

稀に出現するポップアップなど、テスト期間中に遭遇しなかった挙動です。

3位:ソフトやWebサイト等の仕様変更

デザインやボタン配置などが変わると、以前の記憶では動けなくなります。

4位:PCスペック、環境要因

ネット切断、メモリ不足など。人手で操作しても起きる事象です。


エラーを防ぎ速度を上げるExcel操作術

自動化を安定させるためには、マウス操作を極力減らし、キーボード操作(ショートカット)を組み込むことも大きな防御策になります。
Excel作業を例題に、役立つショートカットキーをご紹介します。

最終セルを爆速・確実で選択する

膨大な行数があるデータをマウスのスクロールで探すのは時間がかかり、RPAでもエラーの元です。

● 一番下のセルを選択する

  1. Ctrl + ↓(2回):データの塊を飛び越える
  2. Ctrl + ↑(1回):データの最終行へ戻る
  3. (1回):最終行の「次の空行」を選択

● 一番右のセルを選択する

  1. Ctrl + →(2回)
  2. Ctrl + ←(1回)
  3. (1回)
応用:範囲選択を組み合わせる
  • 最終行まで範囲選択:Ctrl + Shift + ↓
  • 最終列まで範囲選択:Ctrl + Shift + →
  • シート全体:Shift + Space や Ctrl + Space との組み合わせ
なぜショートカットがRPAに不可欠なのか?

ショートカットを使うと、手順が「半分」になります。例えば「コピー&ペースト」はマウスなら4工程(右クリック → コピー → 右クリック → 貼り付け)、ショートカットなら2工程(Ctrl + C → Ctrl + V)。
「ショートカットを使えば300ステップで済む処理が、マウスなら600ステップになる」というほどの差が出ます。ステップ数が少ないほど、ロボットはエラーを起こしにくく、安定稼働します。

RPAでよく使うショートカットキー一覧
操作内容 ショートカットキー
ウィンドウの切替 Alt + Tab
コピー / 貼り付け Ctrl + C / Ctrl + V
切り取り Ctrl + X
全選択 / 保存 Ctrl + A / Ctrl + S
ウィンドウを閉じる Alt + F4 / Ctrl + W
ウィンドウを最大化 Windows + ↑
項目の移動(順/逆) Tab / Shift + Tab
タブの移動(ブラウザやタブ付きアプリなど) Ctrl + Tab / Ctrl + Shift + Tab

1. 外部要因によるエラー:Windows・ソフトの自動更新

それでは、本題のエラー要因の解説に入ります。

「ロボットの設定は完璧なのに、なぜか動かない日がある」という場合、
PC環境の自動更新が影響しているケースが非常に多いです。

主な原因
  • 意図しないタイミングでのWindowsアップデートと、それに伴う再起動。
  • 再起動やアップデートを促すポップアップが表示され、RPAの操作画面を隠してしまう。
対処法:更新を「手動」でコントロールする

予期せぬ動作を防ぐため、「自動更新をOFFにし、週1回〜月2回程度、業務時間外に手動でまとめて更新する」という運用ルールを作るのが現実的です。

「RPAが稼働する時間帯に、余計な通知や再起動を起こさない環境」を作ることが、安定稼働への近道です。

■ ウイルスソフトによる「誤認識」とブロック

RPAはPCを自動操作する性質上、ウイルスソフトのリアルタイムスキャンによって「脅威」と誤認識され、動作が止められたり、必要なファイルが削除されたりすることがあります。

  • 例外設定(ホワイトリスト)の登録
    EzRobotのインストールフォルダを、ウイルスソフトの「スキャン除外設定(例外設定)」に登録してください。これにより、動作の安定性が格段に向上します。

  • 拡張機能が使えない・消える場合
    ユーザーサイトからインポートした拡張機能がエラーになる場合、実行ファイルがウイルスソフトに削除されている可能性があります。例外設定を行った後、再度インポートし直すことで解決します。

  • 「基本機能」と「拡張機能」の使い分け
    EzRobotは基本機能だけで十分自動化が可能ですが、さらに高度な操作をしたい方向けに「拡張機能」が用意されています。まずは基本から始め、物足りなさを感じたらこれらを活用してみてください。

2. ブラウザのエラー:Chromeバージョン不一致の解消

Google Chromeの更新後、急にRPAからブラウザが起動できなくなることがあります。

これは、PC内の「Chrome本体」と、RPAが操作に使う「ChromeDriver(ドライバ)」
のバージョンがズレるために起こります。

手動でのバージョン修正手順(EzRobotの場合)
  1. Chromeのバージョン確認
    設定の「Google Chromeについて」から現在のメジャーバージョン(例:121.x…)を確認。

  2. ドライバのダウンロード
    公式サイトから、本体と同じバージョンのChromeDriverをダウンロード。

  3. 上書きコピー
    EzRobotのインストールフォルダ(bin\Release内)にある既存のexeファイルを、新しいものに差し替えます。

※EzRobot起動時に自動更新の案内が出ますが、「いいえ」を押した場合にはバージョンがズレる可能性があります。お困りの際にはサポートへご連絡ください。

3. 画面・レイアウト変更による認識エラー

Webサイトや専用ソフトのレイアウトが変更されると、RPAが「画像待機」で見つけようとしていたボタンや入力欄が発見できず、タイムアウトエラーになります。

対処法と回避策
  • 画像の撮り直し
    変更後の最新画面に合わせて、待機画像を更新します。
  • 待機方法の変更
    レイアウト変更の影響を受けやすい画像待機ではなく、固定の「秒数待機」や、他の要素(テキスト等)での判定に切り替えます。
  • 条件分岐の活用
    「もし画像が見つからなかったらエラーメールを送る」といった分岐を組むことで、どこで止まったかを即座に把握できるようにします。

4. PC・ネットワーク環境によるエラー

PCのスペック不足や、不安定なネットワーク環境も、見落とされがちなエラーの要因です。

メモリ不足と負荷対策

ブラウザを大量に開きっぱなしにする繰り返し処理は、PCのメモリを圧迫し強制終了を招きます。処理の区切りで「不要なウィンドウを閉じる」動作を必ず入れましょう。

また、「ネット環境やPCのスペックが悪く、たびたびフリーズする」といったケースもございます。この場合は、

  • 不要な常駐ソフトを減らすなど、PCの動作を軽くする設定を行う
  • ロボットが正常に動くスペックのPCを用意する
  • ネット回線・ルーター等を見直し、通信環境を整える

といった対策によって、改善が期待できます。

■ PCの「メモリ容量」は足りていますか?

RPAは、コピーしたデータを一時的に保存する「クリップボード」を多用します。

PCのメモリ(RAM)が不足すると、コピー&ペーストに失敗し、ロボットが止まる原因になります。

  • タスクマネージャーでの確認方法
     [Ctrl] + [Shift] + [Esc] でタスクマネージャーを開き、「パフォーマンス」タブの「メモリ」を確認してください。「利用可能」な容量が1GBを切っているような状態では、メモリ不足によるエラーのリスクが高まります。

  • 「クリップボード出力に失敗しました」が出たら
    不要なアプリを閉じるか、メモリの増設、もしくはPCの買い替えを検討するタイミングです。

■ 「専用PC」か「自分のPC(兼用)」か

RPAが動いている間はマウスやキーボードが占有されるため、人はそのPCを操作できません。

  • 兼用: 出勤前、休憩中、夜間など「自分がPCを使わない時間」だけ動かすなら、今あるPCで十分。スモールスタートに。
  • 専用: 日中に長時間、あるいは常時ロボットを動かし続けたい場合は、専用のPCを用意する必要があります。

■ PCを買い替える・移設する際の注意点

「作成PC」と「実行PC」が異なると、これまで安定していたシナリオが突然動かなくなることがあります。

  • 解像度の違い: モニターの拡大率が変わると、画像認識に失敗します。
  • ソフトのバージョン: Excel等のバージョン差でショートカットキーやメニュー配置が微妙に違うことも。
  • 移設時の鉄則: 別のPCへシナリオを移した際は、必ずテスト動作を行い、環境の差分に合わせて微調整を行いましょう。

■ ネットワークフォルダ(NAS・OneDrive)運用の注意点

ロボットの安定稼働には、ファイルの保存場所が大きく影響します。以下の使い分けを徹底しましょう。

  • ロボットファイル(本体)は【ローカル】に保存
    画像認識に使用するファイルなどは、通信のわずかな瞬断で読み取れなくなり、エラーの原因となります。本体(.ezrファイル等)は、実行PCのローカル保存を推奨します。

  • 作業用ファイル(Excel・PDF等)は【ネットワーク】でもOK
    「チームで共有したい」Excelデータなどは、NASやクラウドストレージにあっても問題ありません。

  • 「エラーハンドリング」で瞬断を回避:
    ネットワーク上のファイルを開く際、通信環境によっては一瞬見失うことがあります。その場合、「見つかるまで数回リトライする」といったエラーハンドリング(繰り返し読み取り)をシナリオに組み込むことで、エラーを回避し、安定した共有運用が可能になります。

  • OneDrive
    「ドキュメント」フォルダがOneDriveと同期されていると、同様のエラーが起きやすいため、同期オフまたはローカル保存を推奨します。

5. エラーの原因を素早く特定する「切り分け」のコツ

RPAが止まったとき、焦ってシナリオを全部作り直す必要はありません。

大切なのは、「どこで」「なぜ」止まったのかを素早く特定することです。

エラーが発生した際、真っ先に確認すべきなのが「ログファイル」です。
これはEzRobotの動作状況を記録したテキストファイルで、デバッグや原因調査に役立ちます。

  • エラーポップアップと実行ログを確認
    ポップアップが消えてしまった場合も、ログを振り返ることで原因の追跡が可能です。
  • 「現れるまで(待機)」で止まる際のチェックポイント
    • 止まった画面に「待っていた画像」がない場合: その前の工程が失敗している可能性が高いです。
    • 止まった画面に「待っていた画像」がある場合: 画像認識設定が合っていないか、タイムアウト時間を超えています。
ログの保管場所とアクセス方法

ログは初期設定では「ドキュメント > EzRobot > log」に保管されています。メニュー「ファイル」から簡単にアクセス可能です。状況に応じて、以下の2種類を使い分けましょう。

「どこで止まったか」は簡易ログで
「なぜ動かない環境なのか」は詳細ログで切り分ける。
この使い分けを知っておくだけで、復旧までのスピードが上がります。

● 簡易ログ(ユーザー向け)

ロボットごとの実行結果を記録したものです。「実行日時」「アクション番号」「成否」が一覧で分かります。ポップアップが消えてしまった後でも、「何番のアクションで失敗したか」を正確に特定するために使用します。

● 詳細ログ(サポート・調査用)

システムの深い動作状況が記録されています。普段ユーザーが参照する必要はありませんが、どうしても原因が分からないトラブルの際、サポートチームが原因を調査するために送付をお願いすることがあります。

6. よくあるエラーの修正パターン

  • 設定ミス(Excel等)
    「シートが存在しません」と出る場合は、シート名の入力ミスや、別ファイルを開いていないかを確認。

  • アプリ・ボタンが見つからない
    配置が変わった場合は、画像や座標を撮り直す、またはダブルクリックへの変更などを検討。

  • 処理が追いつかない
    ネットやPCが高負荷な場合は、タイムアウト設定を30秒から60秒へ延ばすなど、余裕を持たせた設計に変更。

  • 見えない場所に画像がある
    ウィンドウが小さく画像が画面外にある場合は、工程の最初に「ウィンドウ最大化」を追加。

それでも判明しないときは、「エラー箇所の少し前から実行して手順を目で追う」のが一番の近道です。

7. カスタマーサポートへの相談方法(原因調査の依頼)

「切り分けを試したが原因が特定できない」「修正パターンを試しても解決しない」という場合は、決して一人で抱え込まず、弊社のカスタマーサポートへ調査をご依頼ください。以下の「調査に必要な材料3点」をお送りいただくと、解決までのスピードが早まります。

① ログファイル

何番目の作業で、何の機能が、どのような理由でエラーになったかを正確に把握するために必須のファイルです。

② 画面録画ファイル

ログのテキスト情報だけでは判別が難しい「画面の細かな挙動」を確認するために使用します。ロボットがエラーで止まる瞬間の画面を動画で記録したファイルをお送りください。

③ ロボットファイル

弊社スタッフが実際のシナリオ構成を確認するために必要です。「.ezr」ファイルと、画像が格納された「ImageRecognitionFiles」フォルダの2点をセットにして、ZIP形式等で圧縮して送付してください。

まとめ:サポートを通じたスキルアップを目指して

RPAが止まったとき、「ツールが壊れた」と考えるのではなく
「どこで・なぜ止まったのか」を切り分ける視点を持つことが大切です。
「なんとなく止まる」で終わらせず、周辺環境を整えるだけで、エラーの8割以上は防ぐことができます。

弊社では、こうしたWindows環境や回線が原因のエラーについても、
豊富な事例に基づいた無料サポートを行っております。
単に「直して終わり」ではなく、お客様が自走力を高めるためのスキルアップ
を目的としたサポートを行っております。
安定稼働は「切り分け」と「適切なサポート利用」が肝心です。ぜひお気軽にご相談ください。

EzRobotは、社労士事務所様が導入しやすいよう、以下の体制を整えています。

  • 初期費用0円(導入・追加・解約費用等なし)
  • 月ごと更新(年間契約等の縛りなし)
  • サポート回数制限なし(Web会議・チャット・電話など)
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