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【コラムまとめ】RPAによる育児給付賃金月額証明書の月日調整
投稿日:2021-03-23

こんにちは。社労士事務所RPA研究会事務局です。
今回は社労夢を使用した「育児給付賃金月額証明書の月日調整」の業務を例に
RPAの組み方や考え方について解説いたします。
※当コラムは
育児給付賃金月額証明書の月日調整ロボット①~社労夢~
育児給付賃金月額証明書の月日調整ロボット②~社労夢~
をまとめ、ひとつで読める内容となっております。
育児給付賃金月額証明書の月日調整とは

ある社労士事務所様から、次のような業務フローについてご相談をいただきました。
-
育児休業開始日前日までの賃金証明が必要
-
その賃金証明の期間内に「出産休業開始日の前日」が含まれていない場合は、証明期間を修正する必要がある
社労夢の「育児給付・月額証明書」画面の例では、
-
出産休業期間:【02/08/01~02/11/08】
-
育児休業開始日:【02/11/09】
となっているため、育児休業開始日前日(02/11/08)までの賃金が必要になります。
この場合、賃金月額証明書の1行目は、
【10/09~開始前日(11/08)】
となります。
出産休業前日の賃金期間をどう扱うか
出産休業期間中は賃金が発生しないため、2行目として欲しいのは、
出産休業開始日の前日「07/31」を含む【07/09~08/08】
という期間です。
しかし、【07/09~08/08】の期間には出産休業期間も含まれてしまうため、
社労夢のシステム上では自動的に
【06/09~07/08】
が2行目として入力されてしまう仕様になっているようです。
いつ「修正が必要」になるのか
この例から整理すると、
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育児休業開始日が 1日 の場合 → システムのままで修正不要
-
育児休業開始日が 1日以外 の場合 → 月日調整の修正が必要
というルールになります。
たとえば、次のようなケースでは修正不要と考えられます。
-
育児休業開始日:02/11/01
-
出産休業:02/08/01~02/10/31(育児休業開始日前日が出産休業終了日)
このとき賃金月額証明書は
-
1行目:10/01~開始前日(10/31)
-
2行目:07/01~07/31
となり、特別な調整を行わずに済みます。
手作業で対応していたときの課題
ご相談いただいた社労士様の事務所では、次のような状況でした。
-
賃金月額証明書の表は「1コマ単位」であればコピー(Ctrl+C)が可能
-
しかし複数コマを同時選択できないため、
-
1コマずつ目視で確認しながら入力
-
または1コマずつコピー&ペーストで転記
-
-
毎日発生する業務ではないが、
-
手数の割に効率が悪い
-
処理するのがとても面倒
-
そのため、
「時間はそこまでかからないが、ルールがはっきりしているのでロボットに任せたい」
というご要望をいただきました。
RPA化に向けて大事になるヒアリングの視点
このような業務を自動化する際には、最初に
「人がどのような仕組み・ルールで判断しているのか」
を丁寧に分解していくことが重要です。
今回のケースで言えば、
-
「育児休業開始日が1日かどうか」
-
「出産休業開始日の前日が、どの行の期間に含まれているべきか」
-
「システムが自動で設定した期間と、人が望む期間の差分」
といった考え方をロボットに落とし込み、
それを「If~Then」のロジックとして整理していきます。
続いて、ここで整理したルールをもとに、
育児給付賃金月額証明書の月日調整をどのようにRPAで自動化したのか、
具体的なロボット構成についてご紹介いたします。
■ まずはロボットの全体像を整理する
前回の内容により、どのような作業をしたいかのヒアリングが終了したので、早速ロボットのイメージ構成に入ります。
本来であれば完全自動化にしたいところですが、今回のケースでは「対象の従業員をどのようにロボットで判別するか」が、実際の業務との兼ね合いにより「どのようにルール化するか検討する」という事になり、対象の従業員の画面までは手動で行います。
■ ロボットの大まかな処理フロー
そこで、ロボットの大枠のイメージはこのようになりました。
-
社労夢にログインし、対象の従業員の「従業員台帳」までは手動
(※ここからロボット稼働開始) -
「育児給付・月額証明書」のページから「出産休業期間の開始日」と「育児休業開始日」の情報をコピーし、Excelに貼り付ける
-
修正の必要の有無を判定
-
修正が必要な場合、Excelで入力すべき日付を計算し変数に格納
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社労夢の画面に計算結果の日付を自動入力
公文書取得ロボットと比べると、全体としてはそこまで作成難易度が高くない構成です。
■ キー操作+変数が使えれば十分作成可能
今回のロボットは、キー操作(コピー&ペースト等)や変数が使用できれば、比較的スムーズに組んでいける内容です。
今回のロボットの肝となる部分も、今までのコラムと同様に RPAとExcelを組み合わせた構成 になっています。
■ Excel側で「修正すべき日付」をすべて見える化
今回、ロボットを作成した際のポイントは、
Excel内に修正が必要な日付をすべて表示させてから作業にうつる

という設計にした点です。
社労夢の画面上だけで完結させることも可能です。たとえば「賃金月額証明書」の表で、
-
2~14行目をコピー&ペーストにより1行ずつ下にずらす(3~15行目に移す)
-
空白になった2行目の月日だけをExcelで計算し、再入力する
といった作り方でも自動化はできます。
■ Web画面よりExcelで処理する方が安定しやすい
ただし、RPAの仕様上、処理速度や安定性を考えると、
-
インターネットに接続して動作している「社労夢」の画面上で細かい操作を増やすより
-
オフラインでも動作する Excel側で日付計算を完結させる
方が、結果として効率的になるケースが多いです。
実際の手作業でも経験があるかと思いますが、Web操作中にネットが重くなったり、画面の読み込みが遅くなる場面があります。
RPAではWeb上の操作を指示する場合、必ずといってよいほど「待機」機能を使います。
そのため、
-
Web操作の回数を減らす
-
待機時間の指定をなるべく短く・少なくする
という意味でも、「日付計算はExcelに任せる」設計は有効です。
■ 日付計算用のExcelシートを準備
上記の理由により、日付を計算するために以下のような Excel シートを作成しました。
-
出産休業開始日・育児休業開始日を貼り付ける欄
-
シート内の数式で「修正が必要な期間」を算出する欄
-
社労夢に入力すべき最終的な日付を一覧で表示する欄
今回のロボットは、こちらのExcelを使用して日付の計算を行うことで、スムーズかつ安定した動作で業務自動化が実現できました。
■ 将来的な「完全自動化」への発展イメージ
今回のロボットでは、業務全体の流れのうち、
「社労夢にログインし、対象の従業員の従業員台帳を開く」
という部分は、運用上の理由から手動操作としています。
しかし、事業所名簿・従業員名簿のコードや氏名をまとめた Excel データがあれば、
-
VLOOKUP 関数等を用いて、Excel側で対象従業員を特定
-
その情報をもとに、社労夢上で対象従業員の台帳画面まで自動遷移
といった構成も可能です。
その場合、「ログイン~従業員台帳表示」までを含めて、すべて自動化 することも現実的な選択肢になってきます。
■ まとめ:RPA+Excelで“賢い分業”を
RPAによるロボットを組む際には、今回ご紹介したような工程や考え方が必要であり、「ちょっと難しい」という印象を持たれる方も少なからずいらっしゃるかと存じます。
しかし、
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Web画面でやるべきこと
-
Excelで計算させた方が良いこと
をうまく分けてあげることで、ロボットの作成難易度を下げ、安定性も高めることができます。
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