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RPAによる公文書取得の自動化⑨

投稿日:2021-01-07
RPAによる公文書取得の自動化④~オフィスステーション~

こんにちは。社労士事務所RPA研究会事務局です。

今回は、「④コメントがあれば同様にダウンロードし会社ごとのフォルダに振り分け」の部分について解説いたします。


コメントの特徴と、公文書との違い

オフィスステーションでは、公文書とあわせてコメントが届くことがあります。

ここで注意したいのは、

  • 公文書:必ず 1 件

  • コメント:複数件届く可能性がある(最大 3 件)

という違いです。

そのため、
RPAによる公文書取得の自動化⑦」で行ったように、
公文書部分を 1/1 で画像認識させる、という方法はコメントにはそのまま使えません。

「コメントは最大 3 通」と聞くと、

  • 1/1

  • 1/2、2/2

  • 1/3、2/3、3/3

6パターンぶん画像を用意する必要があるのか?
と思われるかもしれませんが、実際にはそこまで細かい分け方は不要です。


公文書とコメントを見分ける画像の撮り方

まず大前提として、公文書とコメントをきちんと区別できる画像の撮り方が重要です。

そのため、コメント数が表示されているエリアだけでなく、
「納付状況」の列も含めて範囲指定して画像を撮影します。

こうすることで、

  • 公文書の 1/1 なのか

  • コメントの 1/1〜3/3 なのか

を、RPA側でしっかり判定できるようになります。

さらに、コメント処理でポイントになるのは、次の考え方です。

  • コメントが 0件 のときはクリックしてはいけない

  • コメントが 1〜3件 のときはすべてクリック対象にしたい

つまり、コメントの「分母」(全件数)はそこまで重要ではなく、
「0件かどうか」を見分けられればよいという整理になります。


画像認識と「精度(%)」の調整

最初に 1件分のコメント画像でテストをしたところ、
精度(%) をあまり高く設定していなくても、2件・3件の表示も同じ画像として認識できることがわかりました。

この結果から、

  • 0件(0/0)は認識しない

  • 1〜3件(1/1, 1/2, 2/2, …)は認識する

という動きを、1パターンの画像と精度(%) の調整だけで実現できるのでは?
という発想になります。

そこで、精度(%) を少しずつ変更しながらテストを繰り返した結果、

  • 0件のときは画像として認識しない

  • 1〜3件のときはすべて正しく認識する

というポイントとなる精度(%) の値を見つけることができました。

結果として、

  • コメント用に 6パターンの画像を用意する必要はなく

  • 1つの画像+精度(%) 調整のみで対応できるようになりました。


RPAで画像認識を使うときのコツ

画像認識はとても便利な反面、

  • 指定する範囲

  • 対象画像

  • 精度(%)

の組み合わせによって、認識結果が大きく変わる「曖昧さ」も持ち合わせた機能です。

そのため、実務で使う際には、

  • 画像が画面に表示されているとき
    正しく認識・クリックできているか

  • 画像が表示されていないとき
    誤って認識していないか(=何もしない状態になっているか)

という 2 点を、LINE実行などのテスト機能で必ず確認することをおすすめします。

今回のコメント処理のように、

  • いくつかの画像パターンを用意して素直に作るか

  • 画像認識の精度(%) を工夫してパターンを減らすか

どちらのルートも「正解」です。

ただ、工程数を減らし、シナリオをシンプルに保つことを意識すると、
ロボットづくりそのものがだんだん「パズルのようで楽しい」作業になってきます。

 

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