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育児給付賃金月額証明書の月日調整ロボット②
投稿日:2021-01-12

こんにちは。社労士事務所RPA研究会事務局です。
今回は「育児給付賃金月額証明書の月日調整ロボット①」の続きをご紹介いたします。
■ まずはロボットの全体像を整理する
前回の内容により、どのような作業をしたいかのヒアリングが終了したので、早速ロボットのイメージ構成に入ります。
本来であれば完全自動化にしたいところですが、今回のケースでは「対象の従業員をどのようにロボットで判別するか」が、実際の業務との兼ね合いにより「どのようにルール化するか検討する」という事になり、対象の従業員の画面までは手動で行います。
■ ロボットの大まかな処理フロー
そこで、ロボットの大枠のイメージはこのようになりました。
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社労夢にログインし、対象の従業員の「従業員台帳」までは手動
(※ここからロボット稼働開始) -
「育児給付・月額証明書」のページから「出産休業期間の開始日」と「育児休業開始日」の情報をコピーし、Excelに貼り付ける
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修正の必要の有無を判定
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修正が必要な場合、Excelで入力すべき日付を計算し変数に格納
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社労夢の画面に計算結果の日付を自動入力
公文書取得ロボットと比べると、全体としてはそこまで作成難易度が高くない構成です。
■ キー操作+変数が使えれば十分作成可能
今回のロボットは、キー操作(コピー&ペースト等)や変数が使用できれば、比較的スムーズに組んでいける内容です。
今回のロボットの肝となる部分も、今までのコラムと同様に RPAとExcelを組み合わせた構成 になっています。
■ Excel側で「修正すべき日付」をすべて見える化
今回、ロボットを作成した際のポイントは、
Excel内に修正が必要な日付をすべて表示させてから作業にうつる

という設計にした点です。
社労夢の画面上だけで完結させることも可能です。たとえば「賃金月額証明書」の表で、
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2~14行目をコピー&ペーストにより1行ずつ下にずらす(3~15行目に移す)
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空白になった2行目の月日だけをExcelで計算し、再入力する
といった作り方でも自動化はできます。
■ Web画面よりExcelで処理する方が安定しやすい
ただし、RPAの仕様上、処理速度や安定性を考えると、
-
インターネットに接続して動作している「社労夢」の画面上で細かい操作を増やすより
-
オフラインでも動作する Excel側で日付計算を完結させる
方が、結果として効率的になるケースが多いです。
実際の手作業でも経験があるかと思いますが、Web操作中にネットが重くなったり、画面の読み込みが遅くなる場面があります。
RPAではWeb上の操作を指示する場合、必ずといってよいほど「待機」機能を使います。
そのため、
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Web操作の回数を減らす
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待機時間の指定をなるべく短く・少なくする
という意味でも、「日付計算はExcelに任せる」設計は有効です。
■ 日付計算用のExcelシートを準備
上記の理由により、日付を計算するために以下のような Excel シートを作成しました。
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出産休業開始日・育児休業開始日を貼り付ける欄
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シート内の数式で「修正が必要な期間」を算出する欄
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社労夢に入力すべき最終的な日付を一覧で表示する欄
今回のロボットは、こちらのExcelを使用して日付の計算を行うことで、スムーズかつ安定した動作で業務自動化が実現できました。
■ 将来的な「完全自動化」への発展イメージ
今回のロボットでは、業務全体の流れのうち、
「社労夢にログインし、対象の従業員の従業員台帳を開く」
という部分は、運用上の理由から手動操作としています。
しかし、事業所名簿・従業員名簿のコードや氏名をまとめた Excel データがあれば、
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VLOOKUP 関数等を用いて、Excel側で対象従業員を特定
-
その情報をもとに、社労夢上で対象従業員の台帳画面まで自動遷移
といった構成も可能です。
その場合、「ログイン~従業員台帳表示」までを含めて、すべて自動化 することも現実的な選択肢になってきます。
■ まとめ:RPA+Excelで“賢い分業”を
RPAによるロボットを組む際には、今回ご紹介したような工程や考え方が必要であり、「ちょっと難しい」という印象を持たれる方も少なからずいらっしゃるかと存じます。
しかし、
-
Web画面でやるべきこと
-
Excelで計算させた方が良いこと
をうまく分けてあげることで、ロボットの作成難易度を下げ、安定性も高めることができます。
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