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RPAによる被扶養者給与等支払証明書作成の自動化②
投稿日:2021-01-14

こんにちは。社労士事務所RPA研究会事務局です。
「RPAによる被扶養者給与等支払証明書作成の自動化①」の続きを解説させて頂きます。
今回は、実際にロボットを組む際のポイントを3つに整理してご紹介します。
ポイント1:ロボットを分けて作成する
前回コラムでは、メンテナンス性向上のために「シナリオの整理」が重要という話をしました。
今回のロボットでは、あえてロボットを分割して作成しています。
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社労夢での動作(ログイン)
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給与・賞与テキストデータ作成
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被保険者基本情報のテキストデータ作成
これらは、ほかの業務を自動化する際にも共通して使える処理です。
そのため、それぞれを単体のロボットとして作成し、別シナリオから呼び出せるようにしました。
ロボットを小分けにすることで、
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修正箇所の切り分けがしやすい
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他ロボットから再利用しやすい
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将来的な仕様変更にも柔軟に対応しやすい
といったメリットがあり、結果として運用コストの削減につながります。
ポイント2:空白をあえて変数に格納する
今回のロボットは、社労夢の仕様に合わせた工夫が必要でした。
賞与テキストデータでは、賞与があった場合にしか行が出力されません。
(賞与なしの従業員は、テキストに1行も出てこない)
欲しいパターンは次の4つです。
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賞与なし
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夏季のみ賞与あり
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冬季のみ賞与あり
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夏季・冬季ともに賞与あり
このためロボット内では、

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賞与の有無と支給時期(夏・冬)を判定
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夏季か冬季どちらか一方しか賞与がない場合は、もう一方の変数には「空白」を格納
という制御を行っています。
理由は、繰り返し処理で同じ変数を再利用するからです。
繰り返しの中で「今回の対象者には賞与がない項目」があった場合、その変数を何も触らないままだと、
前回ループ時に格納された値がそのまま残ってしまいます。
そこで、
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「値がない」=「空白(今回のケースでは0円)」を明示的に変数へ代入
という一手間を加えることで、誤った金額が入力されるリスクを防いでいます。
ポイント3:Excelを加工してから変数に格納・入力する
給与テキストデータでも同様に、給与支払のない月はデータ自体が存在しません。
例:

1月の次が4月になっている場合、2月・3月の情報が存在しない状態です。
このときもポイント2と同様に、2月分・3月分の変数に空白(0円)を格納したい状況が発生します。
賞与は4パターンの判定で済みますが、給与の「支給されている月」の組み合わせはもっと多くなります。
条件分岐を細かく増やして対処することも可能ですが、シナリオが複雑になりがちです。
そこで今回のロボットでは、次のように設計しました。

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まずExcel上で「給与支払のない月の行」を追加して、全月分の行が揃った状態に加工する
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加工後のExcelをもとに、1行ずつ変数に格納し証明書へ入力していく
先にExcelを「人間が理想とする形」に整えてしまうことで、
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RPA側の条件分岐を大幅に減らせる
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シナリオがシンプルになり、読みやすく・修正しやすくなる
といったメリットがあります。
まとめ
今回のポイントを整理すると、次の3つになります。
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再利用できる処理はロボットを分割し、ほかの業務でも使い回せる形にする
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繰り返し処理で誤値が残らないよう、**「空白もあえて変数に入れる」**という発想を持つ
-
条件分岐を増やす前に、Excel側を理想形に加工し、その結果をRPAで読み込む構成を検討する
RPAは「ソフト単体の機能だけで完結させよう」とすると、どうしても複雑になりやすいです。
Excelなど他のツールと組み合わせて設計することで、むしろシンプルで安定したロボットになるケースが多くあります。
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