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産前産後/育児休業等取得者申出書をRPAにより自動化⑦

投稿日:2021-02-05
社労士RPA040

こんにちは。社労士事務所RPA研究会事務局です。

今回は「産前産後/育児休業等取得者申出書をRPAにより自動化⑥」の続きとなります。

前回は、申出書側のセル構造に合わせて「RPA用シート」を用意するところまでご紹介しました。今回は、その中でも「出産予定日」の日付をどのように分解しているかを解説します。


■ 出産予定日の日付を2段階で分解する考え方

「出産予定日」のような日付は、元のシートでは通常どおり「日付形式」で1つのセルに入力されています。
しかし、産前産後/育児休業等取得者申出書のフォーマット側では、

  • 元号(令和 など)

といった形で、1桁ずつ別々のセルに分かれているため、そのままでは貼り付けができません。

そこで今回は、次の2段階に分けて日付を分解しています。

  1. TEXT関数で「元号/年/月/日」を文字列として抽出

  2. MOD関数とROUNDDOWN関数で各桁をさらに分解


■ STEP1:TEXT関数で「元号/年/月/日」を取り出す

まず、RPA用シートの G〜J 列で、元のシート(日付セル)から TEXT 関数を使って要素ごとに取り出します。
※例:元シートは「RPA産休育休リスト」E2セルに日付が入力されているケース

  • =IF(RPA産休育休リスト!E2=””,””,TEXT(RPA産休育休リスト!E2,”ggg”)) ‘ G列:元号
    =IF(RPA産休育休リスト!E2=””,””,TEXT(RPA産休育休リスト!E2,”e”)) ‘ H列:和暦の年
    =IF(RPA産休育休リスト!E2=””,””,TEXT(RPA産休育休リスト!E2,”m”)) ‘ I列:月
    =IF(RPA産休育休リスト!E2=””,””,TEXT(RPA産休育休リスト!E2,”d”)) ‘ J列:日

 

  • 元のセルが空白の場合は空欄を返す

  • 値がある場合のみ、元号・年・月・日を文字列として抽出

これで、「令和」「2」「9」「1」といった単位まで分解できました。


■ STEP2:MOD関数+ROUNDDOWN関数で1桁ずつに分解

次に、H〜J列で取得した数値(年・月・日)を、さらに「十の位」「一の位」に分割します。
結果を K〜P 列などに表示しておき、RPAからはこの1桁ずつを順番に読み込んでいきます。

使用した式は以下のとおりです(一例):

  1. =IF(H2=””,””,MOD(ROUNDDOWN(H2/10,0),10)) ‘ H列(年)の十の位
    =IF(H2=””,””,MOD(H2,10)) ‘ H列(年)の一の位
  2. =IF(I2=””,””,MOD(ROUNDDOWN(I2/10,0),10)) ‘ I列(月)の十の位
    =IF(I2=””,””,MOD(I2,10)) ‘ I列(月)の一の位
  3. =IF(J2=””,””,MOD(ROUNDDOWN(J2/10,0),10)) ‘ J列(日)の十の位
    =IF(J2=””,””,MOD(J2,10)) ‘ J列(日)の一の位

このようにして、

  • 「2桁の数値」 → 「十の位」「一の位」

に分解しておくことで、申出書側の1マスずつに、RPAで迷いなく転記できるようになります。


■ 出産種別など他項目とのあわせ技

出産種別のように、そのまま1セルで完結している項目については、単純に元シートを参照するだけです。

=RPA産休育休リスト!F2&””

このように同じシート内に、日付や出産種別など「申出書に入力したい情報」をすべて揃えておくことで、

  • EzRobotの「リスト一括取り込み」で1行分を丸ごと変数に格納

  • その変数を、産前産後/育児休業等取得者申出書の各セルへ順番に貼り付け

という、シンプルで処理速度の速いロボット構成が実現できます。


■ まとめ

1つのセルに入っている日付を、RPAでそのまま扱おうとすると複雑になりがちですが、

  • TEXT関数で「元号/年/月/日」に分ける

  • MOD+ROUNDDOWNで各桁に分解する

  • RPAは「分解後のセル」をそのまま転記するだけにする

という形に整理すると、ロボット側のシナリオはぐっとシンプルになります。

RPAによるロボットを組む際には、今回のようにExcel側で「RPA用の下ごしらえ」をしておくことで、安定性・保守性の高いシナリオを作りやすくなります。

 

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